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「見える」力をつける [雑感]

見えているはずなのに、実は見えていないということがよくあります。例えば、あなたの家族は今朝どんな服を着ていましたか? よく行くスーパーマーケットの看板は何色ですか? みなさんはこれらの質問にスラスラ答えられるでしょうか?
目に入っているはずなのに、しっかり見えていない。あるいは覚えていない。心にとめていない。こういうことはよくあることではないでしょうか。

まあ、スーパーの看板の色は覚えていなくてもそれほど支障はないと思うんですけど、もっと鋭く物事が見えれば、いろいろな気づきを得られたりするのに・・・と思うことがよくあります。

このことに関係すると思うのが、馴化(じゅんか)」という概念。心理学で使われるタームですが、ある刺激を繰り返し受けることによって、その刺激に対する注意や反応が少しずつ減少することです。

例えば、新しいゲームを買った時には、刺激的で夢中になってするけれども、何度もやっているうちに飽きてきてやらなくなる。海で泳ぐのが最初は怖かったけど、何度も海に行っているうちに怖くなくなってくる。

こういった「馴化」が、「見える」力に大きく関係しているのではと思っています。というのも、仕事で年に1度はデンマークに行くのですが、1年ぶりに行くと、あーデンマークだわ♪とウキウキした気分で、街を歩けば、すべてが新鮮で、「あ、あのお店のショウウインドウ素敵」とか「あの並木はなんてきれいなのかしら」とか「こんな商品は日本には売っていないわ」などと、すべてに反応してしまいます。こんなときには、日本とデンマークの違い、とか、デンマークの特質、といったものに気づき、新たなアイディアを得たりすることが多いです。また、この時期には、写真を撮る枚数も多いです。

しかし、2,3日を過ぎると、刺激に慣れてきてしまって、反応が弱くなってしまいます。あれほど美しいと心をときめかせた車窓の景色にもあまり感動を感じなくなります。デンマークで調査をしても、なるほど、と思うだけで、新たな視点から分析したりができにくくなります。慣れにより、新たな発見をすることが減ってしまうのです。

慣れてしまうと、いろいろなことが見えにくくなる。ですから、あえて「馴化」を起こさないように意識的に環境をもっていけば、見える力は保てるのではないかと思うのです。心理学の理論においては、反応が減少しても、休憩をはさめば、反応は復活する、とされています。
私にとっては、約半年~1年おきのデンマーク滞在が、いちばん「見える力」をキープし、効果的な調査ができるスパンなのではないかなーと思っています。

さて、明日、日本を出発し、オスロ経由でデンマークに行きます。今回もたくさんのことが「見える」よう、意識して過ごしたいと思います!
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