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デンマークのオルガニストとの出会い [デンマークの文化]

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デンマークのオルガニストの一家が来日されました。
京都で初対面。

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共通テーマ:日記・雑感

学会終了・・・そして夏至のお祭り。 [デンマークの文化]

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合宿のような3日間の学会が終わりました。
コペンハーゲンはぬけるような夏空です。

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デンマークのチェンバロ奏者♪ [デンマークの文化]

ラース・ウルリク・モルテンセンが来日しました。びわ湖ホールでのリサイタルに行ってきました。

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映画「セレブレーション」の裏側 [デンマークの文化]

デンマークの放送局 Danmarks Radio のラジオドキュメンタリー番組"Dokumentarzonen"は面白い!
とても素晴らしいドキュメンタリーをたくさん制作していて、一度聴くとすっかり引き込まれてしまう。

Web上で聴けるが、普段はなかなかそんな時間がない。そこでポッドキャストでためておいて、たまに気が向いたら聴くようにしている。

昨夜は眠ろうとしたのになぜだかまったく寝付けず、デンマーク語のラジオ番組でも聴いたら眠くなるだろう・・・と、iPodを引っ張りだして、Dokumentarzonen (2007年8月8日配信)を聴いてみた。すると面白くて、眠くなるどころか目がギンギンに冴えるはめに・・・

そのドキュメンタリーは大ヒットしたデンマーク映画「セレブレーション」(1998年)の裏側を描いたもの。「セレブレーション」はデンマークのドグマ映画と呼ばれるジャンルの作品の1つ。ドグマ映画もセレブレーションも好みが分かれるので、大嫌いという人もいると思う。しかしセレブレーションは私が今まで観たドグマ映画のなかでは好きな作品の一つ。同年のカンヌ国際映画祭審査員賞を初め数々の賞を受賞している。


映画の内容は、ある実業家の盛大な還暦パーティの始まりから翌朝までの様子を描いた群像劇。息子が子どもの頃に父親から性的虐待を受けていたという秘密をみんなに明かすとともに、同じように性的虐待を受けていた妹が自殺したのは父親のせいだと話し、そうしておぞましいドロドロの家族関係、人間関係が展開していく。登場人物の心理描写やさりげないセリフが非常によくできていて、何度見ても飽きない。

実はこれは実話をもとにしたストーリーだったと、今回のラジオドキュメンタリー番組では紹介されていた。ドキュメンタリー番組の内容を簡単に紹介してみよう。

1996年のこと、デンマークのとあるラジオ番組でAllanという男性が、性的虐待の被害者として出演し、自分の成育歴 ― 父親から幼少期に性的虐待を受けていたこと、双子の妹も虐待を受けており、それを苦にして自殺したこと、そして還暦祝いの席でそれを列席者の前で明かしてパーティを滅茶苦茶にしたことなどを話した。それを聴いた「セレブレーション」の監督Thomas Vinterberg は、その話から着想を得て映画をつくり、大ヒットとなった。しかし、番組に出演したAllanに連絡をとろうとしても消息がつかめず、関係者の中には死亡したのではないかと考える者も出てきた。

番組制作グループは彼は生きているはずだとの思いから、彼を探し求め、映画が公開されてから4年たった2002年に彼を見つけ出すことに成功する。彼の話をもとに映画を制作したThomas Vinterberg監督ともひき会わせて一緒に話をする。Allanは自分の話が映画になったとは全く知らなかったと驚く。

番組側はAllanの話を聞きながら、実際に彼の家族に何が起こったのかを探ろうとする。Allanは自分の過去や思いを語っていく。しかし、レポーターが彼の話を便りに実際にAllanの親戚を探しに行ったりいろいろと調べるうちに齟齬があることが明らかになってくる。彼が言っているのは事実なのか、それとも嘘なのか? レポーターが彼の言葉に翻弄されながら、真実を追求しようと走り回る様子がドキュメンタリーで伝わってくる。私のつたない文章ではこのあたりの面白さが伝わらないが、レポーターの心の揺れがラジオを聴いているものの心の揺れとなり、引き込まれる。そしてレポーターがついにゆるぎない証拠をつかんで彼を追及すると・・・・Allanはすべてが作り話であったことを白状したのだ。

Allanは同性愛者でAIDSを患っているのだが、1996年のラジオ番組で自分の境遇を話した少し前に、同じくAIDSを患っていた自分のパートナーが他界し、精神的に不安定な状況で、あのような話しをしてしまったと弁解する。話をでっちあげてお騒がせしてしまったことは申し訳ないし謝りたいというAllan。しかし、監督のThomas Vinterberg もびっくりだっただろう。嘘の話が大ヒット映画のストーリーになるとは。

Allanはその後まもなく交通事故で亡くなったという。

セレブレーションの裏側を探ったこのドキュメンタリー番組は「セレブレーションの後に(Efter Festen)」というタイトルで2003年に放映されて、優れたラジオ番組と評価され、大きな賞を受賞したとのこと。

セレブレーションにこんな秘話があったなんて、日本ではまだ知られていないのではないだろうか。(あ、そもそもセレブレーションを知っている人が少ないか。)


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