SSブログ

2012年末のデンマーク女王のスピーチ [デンマークの社会]

あけましておめでとうございます。
皆さん、どのように新年をお迎えでしょうか。

昨年2012年はブログがなかなか更新できませんでしたが、今年2013年はできる限りブログでも情報発信していきたいと思っています!


さて、デンマークでは大みそかの12月31日に毎年恒例のMargrethe女王のスピーチがテレビで放映されます。

Bispevielse_Aalborg Stift.jpg
(Margrethe II / Bispevielse, photo Aalborg Stift)

放映が始まる18時には家族揃ってテレビの前に集まり、みんなでこれを見るのが大みそかの過ごし方の定番となっています。

私もデンマーク留学時代、友人の家族とともにテレビの前に並んで座って女王のスピーチを観たことを思い出します・・・。

このような国王のスピーチの伝統は、1880年代、国王Christian 9世がおこなった「祖国のための乾杯スピーチ」にさかのぼるそうです。
Frederik 8世の時には全国紙が国王の乾杯スピーチの文面を掲載するようになりました。
今とちがって、当時は新年の1月1日にスピーチがおこなわれていたそうです。

1941年からはスピーチがラジオで放映されるようになり、1958年からはテレビ放映されるようになりました。
2010年からはデンマークの放送局Danmarks Radio がオンライン・オンタイムでスピーチを放映始めたので、国外に滞在するデンマーク人もインターネットで女王のスピーチを聞くことができるようになっています。


さて、今回(2012年12月31日)の女王のスピーチは約10分間にわたりました。

私が印象に残った内容は以下の3点です。


<●未来は私たちの手にかかっていることを強調>

経済危機の時代にはすべてが克服不可能に感じられる。しかし、私たちが自分たちの身の回りから小さなことから少しずつ変えていくことが大切。 歴史を振り返ると、私たちの祖先は絶え間ない努力によって社会を発展させてきたのだ。


<●完璧な人生を目指す傾向に警鐘を鳴らす>

妻・夫、子ども、やりがいのある仕事、趣味、若々しい容貌。 最近、そんなパーフェクトな人生を理想として描く傾向がある。 しかし誰がそのような人生を手に入れられるというのか。またそんな人生を手に入れる必要があるのだろうか。


<●インターネット、フェイスブックなどが若者に与える影響を危惧>

このような新しいコミュニケーションツールの発展は素晴らしいが、若者によくない影響を与える可能性がある。 若者のなかにはサイバースペースにのめりこんでしまい、自分らしく生きるよりも、インターネットの世界でどのように自分を演じ、他人に見せるかばかり考えるようになってしまう人もいる。 一人ひとりが個性を生かして自分らしく生きられるよう、そして自信をつけることができるよう、私たちが手を貸さなければならない。





スピーチの後半は、デンマークのEU加盟(当時はEC)40周年への言及、グリーンランドやフェロー諸島へのメッセージ、南Slesvig (ドイツ領)に住むデンマーク人へのメッセージ、その他の海外に住むデンマーク人へのメッセージなどが続き、最後にはいつもの

GUD BEVARE DANMARK (デンマークに神のご加護あれ)

で終わりました。


※デンマーク王室のHPでは、これまでの女王のスピーチを読む/聞くことができますし、スピーチの歴史も解説されています。若かりし頃の女王の素敵な写真も掲載されています。 http://kongehuset.dk/

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。