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「デンマークを知ろう!part 3」のご報告 [大学]

1年に1度のペースで開催している「デンマークを知ろう」(大阪大学デンマーク語専攻 石黒 暢研究室主催)。
第3回目を2010年2月7日に開催しました。
3回すべて参加している・・・という方もいらっしゃって感激でした。

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今回は30数名の方にご来場いただきました。関西だけでなく、広島、金沢、名古屋からはるばる来てくださった方たちも。
ご来場された方々、ありがとうございました。

たくさんの方とお話ができて、刺激的で有意義な時間でした。

今回の内容は、学生の研修内容に合わせて、「高齢者施設デザイン」「保育」「精神障害者支援」の3つのテーマについて報告し、その後、3つのグループに分かれて、各テーマについてフリートーキングをする、というプログラムでした。

各報告が少々長引き、フリートーキングの時間が少なくなってしまいました・・・ どのグループのフリートーキングも盛り上がっていただけに、ちょっと残念でしたが、皆さんの熱心さ、高い意識が伝わってきました。
ある方から、「知的好奇心を刺激されるような生き生きしたムードでした」という感想をいただいたのですが、本当にそんな雰囲気でした。

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   ↑ フリートークの様子

総括として、世界一幸せといわれるデンマークの社会を表すキーワードは「柔軟性」と「安心感」である、という話をさせていただきました。

「柔軟性」・・・ 国民一人一人に合わせたセミオーダーメードな社会サービスを提供するデンマーク。たとえば、デンマークには「障害者手帳」などはなく、個人のニーズに合わせたサービスが提供されます。「規則」「基準」「前例」にとらわれすぎない行政の在り方、柔軟性は、多種多様な人々が共生する社会において不可欠であるといえるでしょう。(今回はお話しませんでしたが、そんなデンマークでも社会サービスの標準化、基準化の波が押し寄せています。それでも、市民と直接かかわる現場の多くでは、個人のニーズに合わせた実践が行われています。)

「安心感」・・・ デンマークでは、社会に安心感をつくりだすことが、経済成長の要であるという考え方が根づいています。失敗しても社会が守ってくれるという安心感があるからこそ、さまざまな新しい発想が実行に移されていくのだと思います。ある意味で、子供と親の関係と一緒かもしれませんね。親がいつも子供を受け止めてあげる良好な関係が築けていれば、失敗しても怪我してもお母さんお父さんが慰めてくれる、受け止めてくれる、と思って子供は勇気をもっていろいろなことにチャレンジできる。経済保障や社会サービスの充実が、国民に安心感を与え、"ゆとり" や"余裕" を生み出す。それがいい循環で社会が活性化されていくのではないかと考えます。

世界一幸せな国といわれるデンマーク。でも決してすべてがバラ色というわけではなく、さまざまな問題も困難も抱えています。それも含めて等身大のデンマークをとらえ、日本で伝えていく。そのなかから、私たち日本が何を学べるか、考えていく。そのきっかけと場を提供したいというのが、この「デンマークを知ろう」開催の意図です。

「興味深い報告でした」「フリートークがとても楽しかったです!」「日本とあまりにも違う点が多くて驚きました」など、さまざまな感想をいただきました。

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   ↑ デンマークに関する展示も作成しました

時間をかけて準備してきました。デンマークの何をどのようにして伝えるか、議論を重ねてきました。プレゼンテーションもリハーサルを繰り返して、入念に準備しました。でも伝えきれなかった部分や、もう少しこのように報告すればよかった・・・という点も出てきました。それも含めて「デンマークを知ろう!」を企画し、準備し、実施した経験を次につなげていきたいと思います。

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