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デンマークからの手紙 ~ 元社会大臣ベント・ロル・アナセン [社会福祉]

嬉しい手紙を受け取りました。

2580772




昨年末に送ったクリスマスカードの返信という形で、ベント・ロル・アナセン (Bent Rold Andersen) からお手紙をいただきました。

彼は1979~1982年に当時の社会省(日本の厚労省に当たる)の下に設置された高齢者委員会の委員長をつとめた方です。当時の高齢者の生活状況に関する報告、そして高齢者施策に関する提言を行った3部からなる報告書のなかで、有名なデンマークの高齢者福祉の3原則を示しました。

ちなみに高齢者福祉の3原則とは、 ・生活の継続性の尊重 ・自己決定の尊重 ・持てる能力の活用
です。これはかなり有名ですね。

さらにベント・ロル・アナセンは短い期間ですが、1982年に社会大臣もつとめられました。

実は、私が学生時代にロスキレ大学に1年留学したときには、大学で教鞭をとられていて、私の指導教授にもなってくださったのです[ぴかぴか(新しい)]
本当は別の教授が、ゲストスチューデントである私の指導教授だったのですが、私の研究テーマの高齢者福祉については、ベント・ロル・アナセン教授が専門だから、指導してもらうとよい、とインフォーマルにもう一人の指導教官としてくださったのです。まったく身に余る光栄でした・・・

その後も連絡は絶やさず、デンマークに行った時に何度かお会いしたり、電話でお話したりしていました。
いつもとても熱心で、ウガンダ、メキシコ、日本でも活動され、活躍されていました。

で、いただいた手紙の内容です。

最近のデンマークは新自由主義的な思想が蔓延し、保守化することによって、高齢者介護が改悪され続けている。講演をしてデンマーク全国を回っているが、現場で聞く声は否定的なものばかり。 しかし、そんなときに嬉しいニュースが舞い込んできた。数年前に、介護の質は人間的な交わりや心のケアにある、中央集権的なシステムでは高齢者介護の質は向上しない、といった内容の論文を書いたが、その論文が、デンマーク全国の介護職養成学校のテキストに使われることになった。これによって、新しい介護職員の意識が少しでも変化し、高齢者介護そのものがよい報告に変わっていくのではないかと期待をもっている。ということでした。

私がクリスマスカードのなかで、最近のデンマーク社会の変化に少し憂慮している、といった内容を書いたので、そのあたりのレスポンスを書いていただいたのかなと思っています。

今年80歳になられるのですが、いつまでも情熱的に高齢者介護をよくしていきたいという思いを持ち続けていらっしゃいます。

数年前にデンマークのご自宅でお会いした時も、自分の属している社民党が本当にだめになってしまった、こんなことで選挙に勝てるわけがない、とひどく嘆いていらっしゃいました。お話している時にマスコミから取材の電話が入ってきてましたから、相変わらず社会では注目されているようです。
(2007年には急進自由党に鞍替えされましたが、こちらもマスコミで報道されました。)

今度デンマークに来る時には、自分の所有しているサマーハウスにでも連れて行くから、一緒にゆっくり話そう、と書いていただいて、次回のデンマーク訪問が楽しみになりました[晴れ]
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