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ノルウェーの戯曲『9人の女』 [北欧の文化]

なかなか面白かった! ノルウェーのお芝居 『9人の女』を観てきました。
日本初演です。

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夕食後の19時開演だったので、眠くなるかも・・・と恐れていたのですが、まったく眠くならなかった!

女優だけによって演じられる『9人の女』(原題 Mater Nexus)は、2001年にノルウェーで初演され、2002年にはスウェーデンで上演され好評を博したそう。

原作者であるレーネ・テレーセ・テイゲンが来日し、演出して今回の日本初演となったわけです。

物語は、「有能なキャリアウーマンでもある一人の女性を中心に展開される。彼女が乳がんを告知されたことにより、娘や姉妹、そして彼女の女友達がパーティーに集まり、ワインが振舞われるにつれ、彼女たちは日常の仮面を脱ぎ捨て心の中を開いていく、そして・・・。」(チラシより抜粋) というものです。

劇団朋友による公演でしたが、演技が素晴らしかったです。
原作者が来日されて短期間で稽古されているということなのですが、そんなことをあまり感じさせない出来栄えでした。
原作者レーネ・テレーセ・テイゲンは、稽古のときに、登場人物それぞれの人生のバックグラウンドを徹底的に役者に語って、役者の役作りを助けたそうです。言葉の壁や文化の違いがあって、なかなか理解できない部分もあったのではないかと推察されます。そのあたりの苦労が、役者さんたちのブログ「「9人の女」Mater Nexus稽古場日記」につづられていて、公演を観たあとですが、興味深く読みました。

この作品の登場人物が女性だけというのは、大きな意味があるようです。1998年にオスロのあるセミナーに参加したレーネ・テレーセ・テイゲンは、男女共同参画が進んでいるノルウェーにおいても、演劇界で女性が演じられる役が非常に少ないという現実を直視することになります。この現状をなんとかしたいという思いで女性のみが演じるこの戯曲に取り組むことになったのです(彼女のHPより)。

9人の人生が交錯しながら語られ、生と死、親子関係、仕事と家庭のバランスなど、誰にとっても身近なテーマに焦点をあてられています。とりわけ母と娘の関係がこの作品で比重の高いテーマでした。感情移入して観劇していたので、最後のシーンでは涙がこぼれてしまいました。

ところで、この作品は本国ノルウェーだけでなく、スウェーデン、フィンランドでも公演されているのですが、なぜデンマークではされていないのでしょう? ちょっと気になる・・・

『9人の女』 作・演出 レーネ・テレーセ・テイゲン  翻訳:  小牧 游 会期: 2008年12月3日~7日 会場: 俳優座劇場 (東京・六本木) 

<参考>
「「9人の女」Mater Nexus稽古場日記:http://yaplog.jp/maternexus-ho/daily/200811/27/
Produksjonsselskapet House of Stories: http://www.houseofstories.no/index.htm




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